タクシードライバーは一日の業務を殆ど1人で過ごすとはいえ、
先輩ドライバーとのコミュニケーションの機会も多々あります。
そして、先輩ドライバーの中には、自分のこれまでの経験を惜しみなく話してくれる人もいます。
「こういう風にやると良いよ」といったアドバイスをくれることも多くあるでしょう。
そんなときあなたは、先輩ドライバーの方の話を、素直に聞いて、実践しようとすることが多いでしょうか。
それとも、自分なりの流儀を大切にし、先輩ドライバーの方の話を聞き流すことが多いでしょうか。
「出来るドライバー」の傾向としてあるのが、「人の話を素直に聞ける人」ということです。
そして、「出来ないドライバー」というのは、多くの場合、人の話を聞きません。
例えば、先輩ドライバーに良い情報を伝えられたとき、「出来るドライバー」は素直に実践します。
ですが、「出来ないドライバー」はそれよりも、まず自分なりのやり方を試そうとします。
「でも、人それぞれのやり方があるのは、悪いことではないんじゃないの?」と思われた方もいらっしゃることでしょう。
確かにおっしゃる通りです。ですが、どんな仕事においても、「技術の基本」や「最近の傾向」というものがあります。
それらを完全に把握しないまま、「自分なりのやり方」にこだわってしまった場合、
どうなってしまうかは、言わなくとも解りますよね。
「守破離」という言葉はご存知でしょうか。
もとは歌舞伎界で使われていた言葉ですが、人が技術を習得していくうえでは
3つの段階があることを説明した単語です。
一段階目の「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階、
二段階目の「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階、
そして三段階目の「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階です。
「出来ないドライバー」は、「守」、「破」を飛び越えて、いきなり「離」に行ったりするものです。
ですが、それはドライバーとしての技術向上に向けた正しい道筋ではありません。
仕事ができるようになるまでは、人の話は素直に聞きましょう。
自分流にこだわらず、まずは既に答えを知っている人の話を実践するのが一番の近道です。